セイウチの牙とは?



セイウチ牙輪切り見本(カナダ産)


セイウチ(ロシア名sivuch/英名walrus/海馬/海象)は鰭脚(ききゃく)目セイウチ科の哺乳類であり、成獣では体長約3〜4m、体重1t超にもなります。幼獣には体毛がありますが、成獣にはほとんど見受けられません。皮膚は古茶色や灰色で上唇の両側にひげがあり、海底の泥の中から貝類を掘り出して食べるため、上顎の犬歯は大きく発達しています。この発達した武器としての犬歯で時には北極白熊にも立ち向かいます。北極海周辺で生活しており、現在は通称ワシントン条約の付属書第V類に属し、国際的に輸出入の規制がなされ、極めて希少価値の高い牙類となりました。厚さ・長さ・幅が必要な丸玉は原材料のなかでも極めて大きいセイウチの牙でしか作成することが出来ず、その加工品は世界的にも限られ、工場職人の技術が光る一品であります。当方では特大原材料で作成した数珠(念珠)・腕輪・原材料・特別作製品を取り扱っております。上記記載の写真はセイウチの牙の原材料を切断した原材料見本。






マンモス牙とは?


マンモス牙の輪切り見本(ロシア産)

マンモス(mammoth)は、シベリア土語のmamant(地中に住むもの)から転じたとされており、生物自体の名前が「マンモス」であるためマンモスの牙で作成されたものは正式にはマンモス(の)牙商品となります。洪積世時代の巨大象の一種で、全身が長毛でおおわれ,3〜4mもの湾曲した巨大な牙が特徴です。ロシア・カナダ・ヨーロッパ等の地区より出土します。化石のため象牙とは異なり輸入することは出来ますが、大変貴重な一品です。また、近年の研究においてはミトコンドリアDNAの調査により現在のアジア象に近い種であることが解明されています。さらに、マンモス牙のハンターが多くなったため、以前よりもさらに奥地へ行かなければマンモスの牙が発見できなくなり(2003年)、中華人民共和国の潤沢な資金と国内の旺盛な需要により、日本国内への供給が少なくなり、価格が輸入規制のかかる象牙よりも高くなる現象が生じています。アフリカ象やアジア象などとは異なり、既にマンモス象は絶滅しています。すなわち、マンモスの牙は限りある資源であり、非常に希少価値が高く、また、ロマンの詰まった一品といえます。






象牙・カバ牙・マッコウ鯨歯・小マッコウ牙・イッカク角とは?

象牙は現在のところ、ボツワナ、ナミビア、南アフリカ及びジンバブエの4カ国の政府間取引でのみ正式に輸入されています。これも上記のマンモス牙と同様に日本国内業者は中華人民共和国内業者の潤沢な資金に苦戦を強いられています。通称ワシントン条約(CITE)の付属書T類の希少な材料です。印鑑の材料として日本では古くから使用されていました。また、当方では象牙の輸入規制による代用材料として象牙果(アイボリーナッツ・木の実)も取り扱っておりますので詳しくは菩提樹の実(木の実)カタログページをご参照下さい。

カバの牙(河馬歯)はアフリカで生息するカバの上歯または下歯を指します。河馬は赤色の汗をかくことで皮膚の乾燥を防ぐ珍しい動物として知られています。カバはおとなしいイメージが一般にあるかもしれませんが、実際は気性が荒く、時にはワニやライオンにも立ち向かい、現地の人々も犠牲に合っています。通称ワシントン条約(CITE)の付属書U類に属し、希少な材料となりました。印材としても有名です。

マッコウ鯨歯・小マッコウクジラ牙は捕鯨問題で希少な材料となりました。特にマッコウ鯨の牙(歯)は現在ではほぼ採取されていないといって良く、日本国内で流通しているものは日本がワシントン条約に加盟前に採取された、かなり時間が経過した材料がほぼ全てといって良い状況です。マッコウ鯨の歯は印材価値として非常に高く、人気がある一品です。世界的には通称ワシントン条約(CITE)の付属書T類ですが、日本国ではツチクジラ・ゴンドウクジラなどを事実上採取しています。

イッカク角(一角獣角)は北極圏に生息するクジラの一種です。角は通常根元から150cm程度有りますが、中には120cm、250cmあるものも有ります。通常は1頭で1本の角を有しますが、中には1頭で2本の角を持つイッカクもいます。通称ワシントン条約(CITE)の付属書T類に属す極めて希少な一品です。過去、特にヨーロッパでは想像上の生き物として翼の生えた馬の角、ユニコーン(ウニコーン)としてイッカクの角は大変珍品扱いをされていました。現在でも中国・日本ではこのイッカクの角を漢方薬として取り扱っています。古代では解熱・鎮静・解毒に用いられていました(左記の内容は当材料の薬事法に基づく薬効能を示しているものではありません。)。内部構造はらせん状となっており、中心部分が空洞となっているため、彫り物などでは小さいものとして加工することは出来ますが、日本国内では置物、飾り物としての需要が多く有ります。




セイウチ牙・マンモス牙・カバ牙・マッコウ鯨牙・マッコウ鯨骨
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